家庭的な事情から入所する子どもを養護する現場

■乳児院
 乳児院は、乳児を入院させて養育することを目的とする施設です。乳児院に入ってくる乳児は、父親や母親が死亡していたり、父母が行方不明であったり、あるいは父親や母親が家出をしている場合もあります。またさらには、親から虐待を受けているなどの家庭的な問題を抱えている乳児が入所している施設です。
 特に、親との関係が重要な乳児期を、親と離れて施設で生活しなければならないだけに、保育士が果たす役割は大変重要です。
 そのため、乳児院での養育の内容は多岐にわたります。内容を見ていきますと、精神的な発達を観察し、指導していくこと、毎日定時に行う授乳、食事、おむつ交換、入浴、日光浴および安静、さらには毎週定期的に行う身体測定などさまざまな仕事があります。
 乳児の場合は、月齢によって、食事、排泄といった身辺処理が大きく異なるだけでなく、あそびなど生活面での対応も違うため、年齢を十分に考慮し、さらには病気ともなると、伝染しやすくなるので、保健面での配慮は非常に重要です。また、大人との信頼関係や言葉の基礎など、さまざまな精神的な発達や身体的な発達の基礎づくりが必要なときです。それだけに、保育士の果たさねばならない役割は多く、その仕事は大変重要です。