美容専門学校や理容専門学校、メイク専門学校に入学して美容師や理容師、メイクアップアーティストをめざす方のための資格と学校紹介をおこなっています。

全国検索できます

■改定された理容師法と美容師法

 理容師法と美容師法は過去にも何度か改定されてきたのですが、平成10年にかなり大幅な改定がありました。その中で、養成施設(理容美容専門学校)の役割や学び方、免許の交付、国家試験の方法など、いくつかの大きな制度変更があり、例えば、都道府県知事の所管だった理容師試験・美容師試験は、厚生労働大臣の所管となり、文字通り国家資格となりました。主な改定点は次の通りです。

●養成施設への入学資格
 専門学校への入学資格が「高等学校卒業またはこれと同等の学力を有する者」となりました。ただし、高校を卒業していなくても、厚生労働省令などで定める要件を満たしていれば入学できます。
●養成施設の修業年限
 厚生労働大臣指定の養成施設(専門学校)で2年以上の授業を受け(通信教育は3年以上)、卒業できれば国家試験の受験資格を得ることができます。
●インターン制度の廃止
 インターン制度というのは、まだ勉強中の美容師の卵に美容室で1年間実地指導を受けさせ、その実績を国家資格取得の条件としていたものですが、その制度が廃止されたことにより、美容室に見習いとして入っても、免許を取得するまでは実地指導を受けるチャンスはなくなりました。

●認定試験と免許登録は厚生労働大臣の所轄 これまでは都道府県知事が学科試験と実技試験を行い、合格者には知事が免許証を交付することになっていましたが、平成12年から理容師試験・美容師試験とも厚生労働大臣が行うことになり、厚生労働大臣からの委任を受けて、財団法人理容師美容師試験研修センターが実際の試験を行うとともに、免許登録実務も行っています。
●試験科目は筆記と実技で6科目に
 理容師試験および美容師試験のうち、筆記試験の試験科目は、関係法規・制度、衛生管理、理容保健(美容保健)、理容の物理・化学(美容の物理・化学)、理容理論(美容理論)の5科目。(  )内は美容師試験の場合。それにそれぞれの実技試験が加わり、合わせて6科目となります。

■理容師試験・美容師試験の概要

●筆記試験と実技試験を実施
 かつては都道府県別に行われていた理容師・美容師の資格試験が、平成12年から国の所管事項となり、厚生労働省からの委託を受けた財団法人理容師美容師試験研修センターが試験を行います。試験は年2回実施され、「筆記試験」と「実技試験」が課されます。試験会場は、筆記試験が全国15会場(北海道、岩手、宮城、埼玉、東京、神奈川、石川、愛知、大阪、兵庫、広島、愛媛、福岡、鹿児島、沖縄)で行われ、実技試験は各都道府県ごとに行われます。
 なお、1回目の試験で実技か筆記のどちらかが不合格だった場合、次の試験で再挑戦するチャンスを与えられ、合格すれば免許が交付されます。いずれも不合格の場合は最初からやり直さなければなりません。

●実技試験
〔理容師〕
・カッティング
・シェービング
・整髪
〔美容師〕
・ワインディング
・ローラー・カール・セッティング
・オール・ウェーヴ・セッティング
・カッティング
〔採点のポイント〕
・時間内に規定の作業を仕上げたかどうかのほか、準備動作、衛生管理の流れなどが審査されます。

●筆記試験
 筆記試験は次の5科目について行われます。
・関係法規・制度
・衛生管理
・理容(美容)保健
・理容(美容)の物理・化学
・理容(美容)理論
 すでに何度も出てきましたが、理容師や美容師として働くためには「理容師法」や「美容師法」を守らなければならないわけで、特に公衆衛生管理や安全管理について関心を持つ必要があります。筆記試験はそうした点を重点的に問い、理容師・美容師としてやっていくのに必要な常識を身につけているかどうかを問うことになっています。
 試験時間は全部で1時間40分。問題数は50問あり、4つの選択肢から正解を選ぶマークシート方式です。全科目総合で 100点満点中60点以上あれば合格。ただし、1科目でも0点があれば不合格になります。

まず理容美容専門学校へ
 理容師・美容師として働くための免許を取得するには、まず厚生労働大臣が指定する「養成施設」で正規の課程を修了し、その上で国家試験を受けて合格しなければなりません。その養成施設として、多くの理容師・美容師を育ててきたのが、理容科・美容科を開設している専門学校です。そのうち理容・美容の両科を設置している学校が圧倒的に多いのですが、なかには両科の交換授業を実施し、それぞれの技術やを取り入れる試みをしている学校もあります。
 もちろん理容師をめざす人は理容科へ、美容師をめざす人は美容科へ進みます。
 理容・美容分野の専門学校は、定められたカリキュラムを不足なく組み、国家試験合格を目標とする体制で授業を行っているのが特徴です。厚生労働大臣指定の養成施設(理容美容専門学校)は全国に 200校i以上もある上、地域的にも分散しているので比較的近いところで見つけることができます。

●入学資格は高卒以上
 平成12年度から、理容美容専門学校への入学資格は高卒以上となりました。ただし、夜間課程などで中学卒業でも入学可能な養成施設もあります。国家試験を受けるために必要な修業年数は、昼間課程または夜間課程に通学する場合は2年以上、養成施設が行っている通信教育によって学習する場合は3年以上となっています。そして最終的には、必要な単位を取得して卒業しなければなりません。もし何らかの理由で卒業できなかった場合は、その年の理容師試験・美容師試験が受けられません。

●授業の時間割に隙間なし
 国家資格の取得を目標としている各専門学校では、国家試験合格に標準を合わせてカリキュラムを組んでおり、卒業までに最低でも2000時間以上の履修が義務づけられています。うち 800時間は実習です。ところが、美容技術の進歩が著しく、現場でのサービスもどんどん多様化していくため、各専門学校では、1日平均6時間、年間に換算すると1200時間に及ぶ授業を行うようになっています。そのため1日の時間割は朝から夕方までびっしりと詰まっていると思っておいたほうがいいでしょう。また、夜間コースで学習する場合は、土曜日を入れても総合的に時間が不足するため、さらに過密なスケジュールになります。すべてを国家試験合格にかける覚悟で臨みましょう。

●オプション講座も花ざかり
 理容師法・美容師法改定によって養成施設で修得する必須科目が9科目から8科目に減ったのを受け、その時間を
メイクアップネールアートエステティック技術カウンセリング技術などのオプション講座にあてる学校が増えています。特に美容師の業務が多様化するなか、それに対応できる技術や知識を身につけさせようということで、今後ますますそうした講座の開設が増えそうです。
 また、メイクアップやエステ、ネイルアートなどのプロをめざす人が急増しているのに呼応して、
美容学校では別個にメイクアップ科などを設け、本格的にプロを養成し始めていますし、それぞれの技術を専門的に教える各種学校の専門コースも増えてきました。
主なオプション講座

◇メイクアップ
最近は一般の人もメークアップに関心を寄せるようになり、美容院での需要も順調に伸びています。その人の個性を最大限に引き出すのは簡単ではなく、まさにプロの技とセンスが必要です。

◇ネイルアート
 女性が中心になりますが、ネイルアートは日常的なものになってきました。しかし、手先が器用だからできるかというと、そう簡単なものではありません。爪の健康を維持し、服装とのコーディネートを意識するなど、専門的な知識とセンスが求められるため、指導者のもとでしっかり基礎を学ぶ必要があります。

◇トータルビューティー
 メイクの基本からネイルアート、ヘアデザイン、エステなどを含むトータルビューティーに対応できるプロを育成するコースです。最近、大型美容院では、エステを取り入れたり、肌の若返りなどについてアドバイスをするなど、トータルビューティー化を推進しているところも増えていて、専門スタッフが必要になっています。

◇エステティック
 肌の問題は理容師・美容師が常に意識していなければならないこと。最近はお客さんからの相談も増えており、理容師・美容師にもエステの知識が必要不可欠になりつつあります。


INDEX ●専門学校の出願から選定まで

   ●あなたの街の専門学校(全国の厚生労働大臣指定校要覧)


サイト運営者  出版弘報「進学専科」編集部
【東京】〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-48-10-225 電話03-5953-8158
【大阪】〒542-0081 大阪市中央区南船場1-3-5-502 電話06-6262-6058

【高校 進路ご担当先生】このサイトの内容を進路指導にお役立いただくための転載等のご利用は自由です。進路指導用のプリントも無料配布いたしますのでご遠慮なくどうぞ。新設の学校情報は常に更新いたしますが ご不明な点がございましたら当編集部までお問い合わせください。


写真提供 学校法人三幸学園 学校法人東京マックス学園 学校法人岩崎学園 学校法人中山学園 学校法人榎本学園 学校法人東京観光専門学校 東京デザイナー学院